「 自伝 」 一覧

芸術的自由人

2017/02/21   -book
 

雑誌「ぴあ」に連載されていたトークエッセイを再構成したものです。
 
僕はこの人の漫才も面白くて好きですが、
勉強家な一面や芸術的感性の高さも凄いと思います。
 
この本も歯切れが良く読みやすい文章で、
太田光の頭の中で渦巻くあらゆる思想が表現されています。
 
「しごとのはなし」というタイトルですが、
タレントとしての仕事の話の他に、
これまでの人生で影響を受けた映画、小説、絵画のエピソードが続々と登場します。
 
俳優の細かい動作を観察して真似してみたり、
絵画一枚に涙して救われるなど、
人とは違う独特の観察眼で作品を見ていることが分かります。
 
売れる人間は感性が高いと言いますが、
この人はまさに感性の塊みたいな人だと思います。
 
テレビで見られる自由人な芸風とは違った一面がこの本で楽しめます。

決断の先につかんだ夢の舞台

2017/02/07   -book
 

2016年限りで現役を引退した、
プロ野球 広島東洋カープ 黒田博樹選手の半生と哲学の自著です。
(この書籍は日本球界復帰直後の2015年3月に出版されたものです)
 
黒田選手といえば、2014年末アメリカ メジャーリーグの球団から
年俸20億円とも言われる巨額のオファーを受けていたにもかかわらず、
それを断り日本の古巣カープに復帰することを選択し、ファンから大歓声を浴びました。
そして2016年、チームを25年ぶりのリーグ優勝に導き、20年間の現役生活に幕を下ろしました。
 
カープファンからすればまさに英雄と言っても言い過ぎではない存在です。
その熱い生き様は僕も大好きで尊敬しています。
 
そんな黒田選手ですが、
実はその経歴は常に輝かしいものというわけではありませんでした。
 
3年間補欠だった高校時代に始まり、
周囲との力の差を感じ、恐怖心と闘いながらの野球人生だったのです。

 

タイトルの「決めて断つ」は高いレベルで通用するために
努力してきた黒田選手の人生のキーワードの一つです。
 
それが最も見て取れるのは2008年にメジャーリーグに挑戦したときで、
日本では通用していた速球が簡単にスタンドに運ばれることを知ると、
動くボールを習得して、芯を外す投球に活路を見出しました。
 
登板日以外の過ごし方やブルペンでの投球内容など、
厳しい日程のメジャーリーグで投げ抜くためのルーティンも新たに作りました。
 
世界トップのリーグの強打者たちをねじ伏せるために、
過去を断ち、新しい自分のスタイルで戦うことを決めたのです。

 

補欠の高校時代からメジャーリーグの名門ヤンキース入団にまで上り詰めた黒田選手ですが、
この本は単なるサクセスストーリーではありません。
 
一度決めたことはやり通すという母親譲りの芯の強さ。
ビジネスを度外視した仲間との絆と感謝の気持ち。
 
野球選手としてだけではない黒田選手の人間的な魅力が随所に見られ、
この人がファンから絶大な支持を得ている理由が分かると思います。
 
野球を知らない方にもぜひ読んでほしいです。

恐怖!日生学園

2017/01/29   -book
 ,

1995年に「女性自身」で連載されていたエッセイをまとめた書籍です。
実に20年以上前に出版された書籍なので読む前の期待値は高くなかったのですが、
正直な感想を言うと、この本面白いです。

 

内容は仕事から家族のことまで多岐にわたるのですが、
僕が好きな話は何といっても過酷な高校時代の話です。
 
テレビでも散々とりあげられている題材ではありますが、
(あの坊主頭の写真だけで相当面白いですがw)
この本では割としっかりと当時の生々しい想い出が綴られています。
そしてそれを文字に起こしたときの破壊力はなかなかのものです。
 
「放課後、毎日、寮ごとにマラソン。毎日10キロ。
入学していきなり10キロは、気ぃ狂いそうになるで。
もう引きずり回されながら、後ろから蹴られながら走ってたから。」
 
「1年の俺らが悪いということを、3年は2年に言う。
2年は1回、3年にシバかれてから1年の俺らのところにくるわけやから。
もっとシャレにならん。」
 
高校時代の思い出だけで一冊書いて欲しいくらい僕は大好きですw

 

ダウンタウンの話ももちろんあります。
 
相方の松っちゃんのことを「金ヅル」と表現したりもしてますが、
相方への尊敬の念とか、ダウンタウンに対する思いを強く感じられる内容です。
 
漫才中は「ふたりでしゃべっているのが、よりおもろくなるためにツッコんでるだけ」というように、
二人が子供の頃から積み上げてきた自然な会話が、ほとんど完成形みたいなものだったのでしょうね。
 
本書締めの何気ない一言も、今改めて読むとぐっとくるものがあります。

 

この他息子との話、養成所時代の話、歌手や俳優としての活動話など、
数々のエピソードが当時の風景と共に浮かんでくるようで、満足の一冊でした。

毒は控えめ

2017/01/21   -book
 ,

本人曰く「本当は性格がいいことを知ってもらい好感度を上げるため」書いた本らしいです。
 
2008年発売なので少し古い本なのですが、
個人的に好きな芸人で文章を見たことがなかったので、読んでみることにしました。
 
内容は
・幼少期から芸人になり現在に至るまでの振り返り
・写真と共に社会や人に対して思っていることを綴ったエッセイ
・上島竜平氏との対談
という3部で構成されています。
 
友人の谷口君をNSCに巻き込んだり、実家の犬がサイ化する話など、
ところどころ吹き出してしまったエピソードもあるのですが、
全体としては少し中途半端な内容に感じました。
 
自伝というほど深く掘り下げているわけではなく、
後半のエッセイはテレビでのパフォーマンスを文字に起こしたような感じです。
(せっかくなら公共の電波で言えないようなことも期待したのですが)
天国から地獄まで経験しているはずなので、出し惜しみせずもっとぶちまけて欲しかったですね。
期待値が高かっただけに少し残念という印象です。
 
幸いなことに(?)中古で良ければだいぶお求めやすい価格になっているみたいなので、
興味がある方は読んでみるといいと思います。

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