「 解説書 」 一覧

悩みの種は時世によらず

2017/02/09   -book
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自己啓発系の本を読んでいると、
孔子の「論語」が引用されていることがよくあります。
 
"昔の中国の偉い人の名言"ぐらいの印象しかなかったのですが、
現代の日本人にここまで影響を与えている論語って
どういうものなんだろうと気になり、この本を買ってみました。

 

冒頭の解説によると、
論語とはストーリー仕立てで語られた言葉ではなく、
孔子や弟子たちの言行が順不同で並べられたものだそうです。
 
そしてこの本の内容も論語全体を解説するものではなく、
論語の順不同の言葉を引用しながら、筆者の解釈で悩みを解決しようというものです。
 
正当な論語の解説書とはちょっと趣が異なるので、
単純に論語を学びたいなら別の解説書のほうが良さそうです。
(筆者も論語に関する本を他にいくつも出版しています)
 
この本は仕事・家庭・恋愛・性格についての悩みを取り上げているので、
人生で悩み多き方は買ってみてもいいのでは。

 

孔子は一人ひとりが良き行動をとれば社会も世界も良くなる、
逆に自暴自棄になれば自分自身を見捨てるだけでなく、
社会や世界を傷つけるという考えだったそうです。
個は全体の一部という考え方がなんか般若心経に似てるなぁと勝手に解釈してしまいました。

たのしい般若心経

2017/02/08   -book
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お笑いコンビ笑い飯の哲夫さんによる、般若心経の解説書です。
 
般若心経とは「観自在菩薩 行深般若波羅満蜜多時~」から始まる
お坊さんが仏壇の前で唱えてる言葉のことです。
おそらくこの言葉の意味に興味を持つ人はかなり少数だと思います。
 
僕も全然興味は無かったのですが、
お笑いの発想が天才的すぎて大好きな芸人なので、この本を買ってみました。

 

般若心経を完璧に翻訳するのは難しいらしく、
若干哲夫さんの意訳っぽいところもありますが、
全体の意味を理解するには十分です。
 
内容も哲夫ワールド全開で面白おかしく解説しています。
ふざけてるようですが丁寧で分かりやすいです。
笑えて勉強できます。
下ネタは多めです。
 
漫才に見られる独特の発想もそうですが、
お経に興味を覚え自主的に般若心経を勉強して写経するこの方の感性が大好きです。

 

※えてこ=関西地方でサルの意味

安定の分かりやすさ

2017/01/30   -book
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突然ですが、次のこと分かりますか?
 
日本国憲法の三原則
衆議院の選挙方法
「小選挙区」とはどんな選挙区
「代議士」「幹事長」「官僚」「派閥」の意味
大統領と総理大臣の違い

 

・・・・・・分かりますか?
 
答えられない方は、ぜひこの本を読んでみることをおすすめします。

 

正直僕も分かってませんでした。
確かに昔習ったはずなんですが、理解しているつもりで全然頭に入ってませんでした。
 
これはまずいと、特に今すぐ政治を覚える必要性があるわけでもないのに、
最低限の知識は持っておくべきだと思いこの本を手に取りました。

 

最後まで読んでみましたが、さすがは解説のプロ、文字にしても分かりやすさは健在でした。
学校の教科書の解説部分をぐっと濃くしたような感じです。
 
教科書と違うところは、個人名を挙げての失敗例などなかなか書きにくいところにも踏み込んでいる点です。
また客観的な事実だけでなく、今の日本の政治の問題点について
筆者個人のより突っ込んだ考えを読むことができるため、勉強になります。

 

この一冊で選挙、国会、内閣、裁判所、憲法の概要は一通りつかめると思います。
 
これで頭のいい上司に政治の話を振られても安心ですね!
(深く突っ込まれなければ・・・ ^^;)

 

でも本当に分かりやすくて良い本でした。
他の池上解説シリーズも買ってみようかな・・・。

意味が分かると怖い絵たち

2017/01/25   -book
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死の恐怖を感じる時ほど、生きる実感を得られる瞬間はない。
人間存在の皮肉が好奇心を掻き立て、恐怖を塗りこめた絵に人は惹きつけられます。
 
この本では16世紀から20世紀の西洋名画20作品の隠された恐怖を解説しています。
一見平和な家庭を描いた絵、びくっとするような気味の悪い絵、何を意味しているか分からない不思議な絵、
どれもその絵が描かれた背景(作者自身や当時の国家の有り様を含め)を知ることで、
より興味を増し、「恐怖」という味わいを持って鑑賞することができます。
 
恐怖の種類は日常のちょっとした悪意から神々や自然の畏怖まで様々ですが、
人間の狂気や卑しさに触れた作品はぞくぞくするものがありますね。
 
「見捨てられた街」は一見物寂しい街を描いているだけのようですが、
作者が家族とのことでこの街に取り憑かれていた背景を知ると、
建物の様から色使いまですべて不気味に見えてきます。
 
「エトワール、または舞台の踊り子」は当時の踊り子の立場を知ると悲しい絵に変わりますし、
「マリー・アントワネット最後の肖像」も立場が逆転した作者の悪意が存分に込められており、
どちらも解説付きで見ることで人間がもつ卑しさを楽しめるようになっています。
 
20作品それぞれに異なる恐怖が隠されており、
カラーの挿絵とともに綴られた解説は分かりやすく面白いです。
思わず鳥肌が立つというほど直接的な怖さはありませんが、
絵を通じて染み込んでくるような人間本来のおぞましさを堪能することができます。

 

僕は普段から美術館に行って芸術を嗜むような人間ではないのですが、
この本に出会ったことで思わぬ西洋絵画の魅力に引き込まれてしまいました。
今度美術館に行くときはこれまでと違った感度で作品を見られそうです。
 
芸術の予備知識としておすすめの一冊です。

 

↓2013年に文庫化して出版されました。お好きなほうをどうぞ。

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